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安西先生、バスケがしたいです! |
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なんだ、突然? |
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お約束ってやつですよ。 |
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意味がわからん。 |
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それがですね、 このようなお手紙が届いておりまして――。 メーダロードさーん。 |
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竜姉様、お手紙です。 |
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却下だ。 竜妹に露出の多い服はまだ早いだろう。 だから、ローブでよい。 |
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本音は? |
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わたし以外のものが竜妹の柔肌を見ることは許さん! |
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予想通りのシスコン解答、ありがとうございます。 |
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だから、わたしは、シスコンなどではない! |
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竜姉様に話をしてもどーせ却下されるだろうなーってことはわかっていました。ですから、こちらに来る前に竜妹様のところへ立ち寄って、今日は私服で来てもらうよう頼んでおいたんですよー。 |
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なに? |
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あ、お見えになりましたよ♪ |
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大魔道のお姉ちゃん、これでいいのかな? |
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はい♪ |
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…………。 |
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どうしたのですが、竜姉様? ぽーっとしてますよ。 |
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いや、はじめて見る姿だから、見惚れてしまって……。 |
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あれ、おねーちゃんの前でこのかっこしたことなかったっけ? |
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う、うむ。 |
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えっとねー、友達と遊びに行くときなんかは、よくこーゆーかっこうをしてるんだ。 そうだ、今度おねーちゃんも一緒に遊びに行こうよ。 |
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い、いいのか。 |
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うん♪ |
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私も一緒に行っていいですか? |
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そ、それは却下だ! わたしと竜妹の時間を邪魔することは許さん! |
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そんなぁ〜。 |
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うん。 というか、おねーちゃんは可愛い服が似合うからうらやましい。 ボク、あんまり似合わないからさ。 |
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そ、そんなことないぞ。 竜妹に可愛い服はとても似合うに決まってる。 今日着てるその服だってすごく可愛い。 |
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ありがとう、おねーちゃん。 |
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竜妹様、竜姉様の威厳の方はどうですか? |
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威厳ってなんか「えらそー」って感じでしょ。 別に、おねーちゃんはそんな感じないなー。 |
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そうか。 でもな、竜妹。 お姉ちゃん、実は偉いんだぞ。 |
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そうなの? |
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はい。 竜姉様はみなさんに愛されてます。 |
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そうなんだー。 |
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ちょっとまて。愛されてるってのは違うぞ。 わたしは威厳ある王として尊敬されているのであって、愛などという軟弱な態度は―― |
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あら、竜姉様、照れちゃって。 |
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違う! 違うんだーッ! |
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そうですねぇ。 一番しっかりしてるのは、竜妹様ですかね。 |
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え、ボク? |
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わ、わたしじゃないのか? |
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竜姉様はしっかりしておられるようで、ときどきとっても可愛らしいポカをしてくれるので。 |
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お前、わたしをバカにしてないか? |
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そんなことありませんよー。 |
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ところで、この「ホイミン」って誰? |
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この中で一番のうっかり娘さんです。 |
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「カイザーフェニックス」 「カイザーウォール」 「カラミティ・エンド」 王として君臨する以上、この三種類は是非ともマスターしたい。 |
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天地無闘の構えですか? 確かに一応「ドラクエ」ではありますが、 魔法じゃないのも混ざっていますよ。 |
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細かいところを気にするやつだな。 そーゆーお前はどんな魔法を使ってみたいんだ? |
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私ですか? 一応大魔道なので、攻撃魔法とかはほとんど使えるんですよ。 ですから、それ以外の魔法で……。 「レムオル」とかいいですね。 |
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却下だ! |
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レムオルで透明になればなんでもし放題ですよ。着替えからお風呂まで竜姉様のご様子を一日中見放題で――。 |
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だから却下だ! |
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でも、姿は隠せても気配や魔力は隠せないので、どうせすぐにばれちゃうんですよねー。だからあまり意味がないような気もしますが、それらに気付かないほど竜姉様がなにかに集中しているときなら――。 |
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うるさい! とにかく却下だ! |
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竜妹様はどんな魔法が使いたいですか? |
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ヒャド。 |
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ヒャド――ですか? |
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うん。暑い日にね、ヒャドの氷でカキ氷作るの。 |
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なんて純粋な……。 竜姉様、どうやら私の心は汚れてるらしいです。 |
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わたしの心もだ……。 |
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これはつまり、竜姉様の好きなお方は誰かってことですねー。 |
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そ、そんなやついない! |
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相手は勇者なんですか? |
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ゆ、勇者などというお人よしでなにも考えてないみたいな顔しながら人のことまで心配しているよーな笑顔がやたらにさわやかな朴念仁なんてわたしは知らない! |
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え? もしかして、ビンゴ? |
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そういえば、もうずいぶんしばらく会ってないね。 |
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知らないっていったら知らない! わたしはぜっんぜん知らないからな! |